今回からは、工部大学校1期生の「曾禰達蔵(そねたつぞう)」設計の建築を見ていきましょう。大阪の「北浜」駅が最寄りの「三井住友銀行大阪中央支店」です。
銀行建築らしい建物ではないでしょうか。民間銀行の建物であり、昭和に入っている時期の建物ですので、正統な様式建築(古典主義)の建物としては、大阪でも最後の方の建物ではないでしょうか。
古典主義の柱の上部を柱頭(キャピタル)といいますが、このグルグル巻きのデザインは、「イオニア式」と呼ばれるものです。柱頭(キャピタル)は、このほかに装飾の無い極めてシンプルな「ドリス式」と、植物の葉をわさわさとあしらった「コリント式」が主なものだそうです。
堺筋の反対側を北へ少し行くと、「新井ビル」(大正時代の建物/設計:河合浩蔵/工部大学校4期生)があります。1階正面の柱の柱頭(キャピタル)をみると、こちらは「ドリス式」のようです。現地訪問の際は併せてどうぞ。



