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建築散歩!No.4「東京駅丸の内口駅舎」~マスターと共に歩む、街歩きを兼ねた建築物の探訪~

東京駅丸の内口駅舎
東京駅丸の内口駅舎

今回からは、主に日本人建築家に注目して、近代建築について触れてみたいと思います。

最初は、初の建築家といわれる「辰野金吾」による建築を見ていきましょう。

まずは、「東京」駅舎(丸の内口)です。赤レンガの建築に白い花崗岩を帯状にめぐらせるデザインで、「辰野式」または「辰野式フリー・クラシック」と呼ばれています。この手法は、辰野がイギリス留学中に流行していた「コンストラクショナル・ポリクロミー(構造的多彩色)」と呼ばれるもので、ヴィクトリア朝後期には「クイーン・アン様式」とも呼ばれたデザインです。

ご存じの通り、太平洋戦争の空襲でドームや3階部分が焼けてしまい、戦後長らく2階建てで、ドーム屋根部分は平らな斜め屋根がかかっていたわけですが、平成24(2012)年復元されています。

建物に近づいてよく見ると、1~2階(保存)と3階(復元)部分の赤レンガの色などの違いが見て取れます。白い花崗岩も汚れ具合が明らかに違いますので、東京駅にお越しの際は、近づいて見てみて下さい。

東京駅丸の内口駅舎
東京駅丸の内口駅舎

赤レンガの積み方は、「イギリス積み」(1つの段はレンガの長手、次の段は小口というように交互に積み上げる:なお、一部には、フランス積み、ドイツ積み(小口積み))を採用しています。

また、レンガ壁面が立体的に美しく見えるように、目地は断面が半円状になっている「覆輪目地」で施されています。目地が手前に膨らんでいるような仕上がりで、現代の職人には伝承されていなかった高度な技術を要するものであるため、この復原工事に際し、専用の鏝を造って、職人さんが訓練をして作業をしたそうです。

東京駅丸の内口駅舎
東京駅丸の内口駅舎

南口正面の東京中央郵便局(前回触れたモダニズム建築のビル)の屋上に出ると、また違った目線(上方)から眺められますので、是非どうぞ。

東京駅丸の内口駅舎
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