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《FMラジオに出演!》不動産流通推進センターの「債務保証」を紹介しました

《FMラジオに出演!》不動産流通推進センターの「債務保証」を紹介しました

不動産流通推進センター 高橋です。10月27日(金)、ラジオに出演しました。

大阪府岸和田市のFMラヂオきしわだ「おはようラヂオきしわだ金曜日」に、なんと、生出演させていただいたのです。

登場したのは、「おうちのはなし」のコーナー。

当センターが開催する「不動産コンサルティング実務講座」の大阪会場のセミナーで講師をつとめてくださっている、公認 不動産コンサルティングマスター 笹倉 太司様の番組に、ゲストとして招いていただきました。

パーソナリティーの赤堀 貴子様、出山 りつ子様には「ようこそ!岸和田にお越しいただき、ありがとうございます」とあたたかく迎えていただきました。

 

東京・永田町にある当センターは、いったい何をやっている公益財団法人なのか、ということで、宅建業者の教育支援などのほかにも、「債務保証」という事業があるということを紹介させていただきました。

その関係で、岸和田市近辺の不動産を、現地の専門家と、近隣の大学院生さんを含めたチームで見学させていただく話もさせていただきました。

 

さすが、地元パーソナリティーの赤堀様と出山様は、笹倉様が少しだけ不動産のキーワード(空き家・古民家・ビニールハウスのある農地など)を紹介しただけで、すぐに現地近辺の環境がおわかりになるようでした。

それらの、現在使われていない不動産を再生して事業を行うときに、「当センターの制度をご利用いただいて、サポートする制度があるんですよ」と、紹介させていただきました。

《FMラジオに出演!》不動産流通推進センターの「債務保証」を紹介しました
《FMラジオに出演!》不動産流通推進センターの「債務保証」を紹介しました

不動産業界団体を通じて、日本全国の不動産会社様に向けた支援をしておりますので、案件があれば、どこでも参上いたします。

当センターの債務保証を、少しでも、地域の不動産の有効活用にお役立ていただければ嬉しいです。

 

新たな事業のお手伝い 債務保証はこちら

債務保証 | 公益財団法人不動産流通推進センター(旧 不動産流通近代化センター)

 

【本誌人気記事】「インボイス 不動産売買」で検索して訪れていただく皆様のためにPDFを公開 ― 不動産売買におけるインボイス対応(2023年7月号) ―

「インボイス 不動産売買」で検索して訪れていただく皆様のために ― 不動産売買におけるインボイス対応(2023年7月号) ―

こんにちは。推進センター奥田です。

インボイス対応のことが、気になって検索して来てくださるページに、

『月刊不動産フォーラム21』2022年7月号のサンプルとしてPDFが一部しか公開されていないため、

皆様モヤモヤしてお帰りになっているのでは・・・と心配になり、この記事を投稿しました。

全4ページの記事を、以下に公開します。

記事の最後にPDFファイルのリンクがありますので、どうぞお役立てください。

不動産におけるインボイス対応(p28)

不動産売買におけるインボイス対応(p29)

不動産売買におけるインボイス対応(p30)

不動産売買におけるインボイス対応(p31)

記事のPDFファイルへのリンク(Googleドライブ)は以下です。↓↓

drive.google.com

未来にも目を向ける宅建士 ~不安な時代ならではの見識~

未来にも目を向ける宅建士 ~不安な時代ならではの見識~

2015年の宅建業法改正で従来の宅地建物取引主任者の呼称が「宅地建物取引士」に変わり、いわゆる〝士業〟になったといわれている。弁護士、医師、税理士などがその代表格として知られている。

では、そもそも〝士業〟とは何か。国民からの信頼を得るために最も大切な要素は、その確かな専門性である。人間は万能ではないから、専門性を究めようとすればどうしてもその分野を深めていくしかない。例えば弁護士も民事と刑事で分かれるし、民事も離婚、相続、交通事故、企業・個人間紛争、医療事故など様々である。民事は弁護士同士が争うが、刑事は検察官が相手になるというように仕事内容が大きく異なっている。医師についてもその専門分野が大きく異なっていることは周知の通りである。

ところが、宅建士にはそうした「専門分野」というものがない。新築マンションの販売、投資目的を含むオフィスビル(収益物件)の売買、法人同士の大型案件、住宅の個人間売買(仲介)、アパートの部屋のあっせんなどその仕事内容は千差万別だが、どの現場にも就く可能性がある。これではなかなか医者や弁護士のように、その専門性を磨き、それぞれの現場に精通しているというイメージが生まれてこない。

所属する企業の規模にもよるが、宅建士の仕事が社会的ステータスを上げていくためには、ひとつの専門分野に特化し、その専門能力を外部にアピールできるようなシステムをつくり、その評価によって顧客から直接選ばれる体制を業界として構築していくことが必要ではないか。特に一般個人の依頼者から仕事を受ける住宅の売買や賃貸借の仲介を行う宅建士の世界ではそうした体制の構築が望まれる。

考えてみれば、医療の世界でも患者が担当医師を選ぶということは一部の例外を除き存在しない。ただ、地元の病院を選ぶときは「あそこの先生は評判がいいから」という選択行動は頻繁に行われている。

そう考えれば、資産形成や普段の生活に大きな影響をもたらす住宅の選択に際して、信頼できる宅建士を自由に選べるシステムの構築こそ、不動産業界に対する国民の信頼を確立する早道ではないだろうか。

また、将来不安が高まっている今の時代だからこそ、住宅の専門家として求められる欠かせない能力は何かと言えば、それは〝将来を見通す力〟である。持ち家はもちろんだが、賃貸でもかなり長期にわたって暮らす可能性があるのが住宅である。単体の物件について現時点での評価も重要だが、同じようにその物件が将来どういう状況に置かれるのか、また周辺の環境がどう変化していくのかについても、それなりの見識を持って依頼者に説明できなければ専門家としての責任を果たしたことにはならない。

例えば、物件として5年後、10年後にどういう修繕が必要になるのか、アパートであれば空室が増えて住みにくくなる可能性はないかなどである。持ち家の場合にはその地域が街として将来発展していくのか、逆に人口が減少し続けて衰退していく懸念があるのかといった見通しについてもアドバイスする必要がある。将来という不確かなことについて断言することは避けなければならないが、一定の根拠(都市計画、公共交通整備計画、人口動態など)を示して説明する能力は欠かせない。依頼者との信頼関係は専門家としての能力をフルに発揮してこそ生まれてくるものだからである。

 

執筆者

本多信博氏 住宅新報 顧問

1949年生まれ。長崎県平戸市出身。早稲田大学商学部卒業。住宅新報編集長、同編集主幹を経て2008年より論説主幹。 2014年より特別編集委員、2018年より顧問。
著書:『大変革・不動産業』(住宅新報社・共著)、『一途に生きる!』(住宅新報社)、『百歳住宅』(プラチナ出版)、『住まい悠久』(同)、『たかが住まい されど、住まい』(同)、『住文化創造』(同)など
現在、住宅新報に連載コラム「彼方の空」を執筆中。

 

建築散歩!No.15「講談社ビル」~マスターと共に歩む、街歩きを兼ねた建築物の探訪~

建築散歩!No.15「講談社ビル」

今回も「曾禰達蔵」設計の建築を見ていきましょう。東京都文京区音羽有楽町線護国寺」駅が最寄りの「講談社」です。

隣が警察署で、一瞬役所関係の建物かと思えなくもないのですが、壁面の大きな垂れ幕と正面玄関前の道路沿いの掲示板から、講談社であることが分かります。

2層分の正面玄関の柱の柱頭はドリア式のようです。柱を2本並べるのは、日銀でも見られたデザインでした。大出版社ならではの立派な建物です。

曾禰達蔵は中條精一郎と曾禰中條建築事務所を開設し、建築家として事業を成した方で、慶応大学の図書館なども手掛けています。大学の建築物は、国内外の様々な建築家による歴史的建築物が多数ありますので、機会があれば是非見学してみて下さい。

 

建築散歩!No.15「講談社ビル」
建築散歩!No.15「講談社ビル」
建築散歩!No.15「講談社ビル」
建築散歩!No.15「講談社ビル」
建築散歩!No.15「講談社ビル」
建築散歩!No.15「講談社ビル」

建築散歩!No.15「講談社ビル」

建築散歩!No.15「講談社ビル」

 

事業用と居住用、事務所と住宅 ― 『不動産フォーラム21』編集余話 ―

事業用と居住用、事務所と住宅 ― 『不動産フォーラム21』編集余話 ―

前回取り上げた「既成市街地等内にある土地等の中高層耐火建築物等の建設のための買換え及び交換の場合の譲渡所得の課税の特例」(租税特別措置法第37条の5)の適用対象は、「特定民間再開発事業の施行地区内における中高層耐火建築物への買換え」(以下「中高層耐火建築物への買換え」)(同条第1項第1号)と「既成市街地等内における中高層耐火共同住宅への買換え」(以下「中高層耐火共同住宅への買換え」(同条第1項第2号)ですが、後者(第2号)が買換資産を「当該個人の事業の用若しくは居住の用に供したとき」に適用するとされているのに対し、前者(第1号)の適用は「当該個人の居住の用に供したとき」に限定されています。譲渡資産の従前の用途も、第2号には特に限定がないのに、第1号は「事業の用に供しているものを除く」とされています。「耐火共同住宅」の用途は事業用でもかまわないのに、「耐火建築物」の用途は居住用でなければならない(事業用からの買換えは不可)、というのは不思議な気もしますが、ここにも税制改正による変遷が見られるのでした。

 

昭和59年度税制改正で中高層耐火建築物への買換えが措置法第37条の5に組み入れられた際、法人による同様の買換えが同法第65条の7の「特定の資産の買換えの場合の課税の特例」の適用対象に追加されました。この特例と同様の個人の所得税に関する規定は「特定の事業用資産の買換えの場合の譲渡所得の課税の特例」(第37条)です。中高層耐火建築物への買換えは、個人の場合は事業の用に供されていない土地等(居住の用に供されている土地等)について行われる場合でも特例の対象となることから、法人の場合とは異なり、第37条(事業用資産の買換え)ではなく、中高層耐火共同住宅への買換え(立体買換え)を規定していた第37条の5に追加することになったようです。
第37条の5は、昭和55年度の制定当時から、中高層耐火共同住宅を「当該個人の事業の用若しくは居住の用に供したとき」に適用するとしており、中高層耐火建築物への買換えが追加された際もこの部分は改正されませんでした。ですから、中高層耐火建築物もそれ以来約30年、「当該個人の事業の用若しくは居住の用」に供すれば適用を受けられました。

 

ところが、平成23年税制改正により、中高層耐火建築物への買換えについてのみ、買換資産の用途が居住用に限定されたのです。

 

平成23年度改正直前の時点では、特定の(事業用)資産の買換え特例には、買換えの組み合わせが法人の場合で19、個人の場合で18も規定されていました。それが、改正により、法人で12、個人で11の組み合わせが適用対象から除外されることとなります。法人の場合の方が1つ多いのは、上記の経緯からお分かりのように、昭和59年度改正で追加された中高層耐火建築物への買換えが含まれているからです。

 

さて、平成23年度改正により、中高層耐火建築物への買換えは、法人の場合の「特定の資産の買換えの特例」の適用対象から除外されることとなりました。では、この買換えと同様のものとして個人の場合について措置法第37条の5に追加された買換えはどうなるのか。本来同様の買換えなのですから、こちらも「適用対象から除外する」でよさそうですが、そうはなりませんでした。譲渡資産から「事業の用に供しているもの」を除くとともに、買換資産については「居住の用に供したとき」に適用することとされたのです。つまり、「事業用資産の買換え」を除外した結果、居住用限定になったということですね。

 

なお、中高層耐火共同住宅については、「地上階数三以上の中高層の耐火共同住宅(主として住宅の用に供される建築物で政令で定めるものに限る。)」とされており、政令では「当該建築物の床面積の二分の一以上に相当する部分が専ら居住の用(当該居住の用に供される部分に係る廊下、階段その他その共用に供されるべき部分を含む。)に供されるものであること。」(措置法施行令第25条の4第5項第2号)と定められています。一方、中高層耐火建築物の方は「地上階数四以上の中高層の耐火建築物」とされているだけで、政令に委ねられている要件もありません。平成23年度に居住用に限定されるまでは、自由な用途構成にできたわけです。

 

さて、「特定事業用資産の買換え」といえば、平成24年度に、日本語の言葉の観点から興味深い改正がありました。

 

まず、「平成24年税制改正大綱」に、次のような記述があります。

 

「特定の資産の買換えの場合等の課税の特例における長期所有の土地、建物等から国内にある土地、建物、機械装置等への買換えについて、次の買換資産の見直しを行った上、その適用期限を3年延長します(所得税についても同様とします。)。
イ 土地等の範囲を事務所等の一定の建築物等の敷地の用に供されているもののうちその面積が300平方メートル以上のものに限定します。
ロ (省略)」

所得税についても同様とします」とされているのは、個人所得税についての「特定の事業用資産の買換えの場合の譲渡所得の課税の特例」についても同様の改正をするという趣旨です。


改正内容は、10年を超える期間所有していた土地等を国内にある別の土地等に買い換えた場合に適用されるということで、満たすべき要件が少なく使い勝手が良いとされていた、当時「9号買換え」(現在は3号買換え)と呼ばれていたものについて、買換資産である土地等の用途・面積を限定するというものでした。財務省の「平成24年税制改正の解説」には、「買換資産である土地等の用途に限定がなく、政策目的が曖昧であるという指摘があり、より付加価値の高い資産への買換えを促進し、経済の活性化を図るとの政策目的を明確化する観点からの見直しが行われました。」とあります。
「事務所等」ですから、大綱の公表時点では狭い範囲に限定されるのではないかと考えた人も多かったのではないでしょうか。

大綱での「事務所等の一定の建築物等」は、改正法において、「事務所、事業所その他の政令で定める施設(以下この号において「特定施設」という。)(以下省略)」とされました。では政令で定める「特定施設」とはどのようなものでしょうか。所得税の特例については措置法施行令第25条第10項(平成24年度改正時は第13項)にあります。

 

政令で定める施設は、事務所、工場、作業場、研究所、営業所、店舗、倉庫、住宅その他これらに類する施設(福利厚生施設に該当するものを除く。)とする。」

 

「事務所等」の「等」の中に「住宅」が隠れていました。一方、ホテルや旅館は含まれていません。もちろん、住宅といっても事業用ですから賃貸住宅などになるのでしょうが、ちょっと無理があるような気がしないでもありません。税法ではありませんが、借地借家法に規定されている事業用定期借地権では、事業用といえども居住用の建物は認められませんから。政令や省令に委ねられた規定には、よくよく注意しなければなりませんね。

 

なお、現行の3号買換えにおいて、買換資産は「土地等、建物、構築物」とされており、「土地等」については上記のように上物の用途が限定されていますが、「建物」や「構築物」については特に制限がありません。

 

前回の記事:

yaf21.retpc.jp

 

 

建築散歩!No.14「明治屋京橋ビル」~マスターと共に歩む、街歩きを兼ねた建築物の探訪~

建築散歩!No.14「明治屋京橋ビル」~マスターと共に歩む、街歩きを兼ねた建築物の探訪~

 

今回も「曾禰達蔵」設計の建築を見ていきましょう。東京メトロ銀座線「京橋」駅が最寄りの「明治屋京橋ビル」(東京都中央区京橋)です。

37年前、私が入社した前職のマンション・デベは、かつて八重洲2丁目にあり(現在の東京ミッドタウン八重洲の中のほんの一部)、東京駅(八重洲南口)と京橋駅が最寄り駅であったため、明治屋さんはしばしば利用させてもらいました。当時は何やら古めかしいビルだとしか思っていませんでしたが、よく保存してくれていて今では感謝です。

東京・京橋のビルは昭和に入ってからの建物で、大阪・堺筋本町にある明治屋さんのビルは大正末期の建物です。今度大阪に行った際には見てみたいと思います。

曾禰達蔵は、三菱に入社するなど同社と縁が深く、丸の内の三菱1号館(復元)、現存はしていませんが2号、3号館などをコンドルと共に設計しています。

 

建築散歩!No.14「明治屋京橋ビル」~マスターと共に歩む、街歩きを兼ねた建築物の探訪~
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建築散歩!No.14「明治屋京橋ビル」

 

 

「不動産業のDX化」の現在地

「不動産業のDX化」の現在地

 

はじめまして、宅建マイスター・フェローの森下と申します。
15年前、私が不動産業界の門を叩いた頃にはすでに「不動産業はIT化が遅れている」と言われていました。時代が変わりインターネットが大きく普及すると、物件情報は紙からREINS等WEBデータベースへ、書類のやり取りもFAXからメールへ移ってきました。
しかし、今度は「IT化」が「DX化」と名前を変え、結局「不動産業のDX化が急務である(=遅れている)」と言われるようになり、いつの間にか振り出しに戻ったような気がします。

 

私自身はいわゆる「デジタルネイティブ世代(1990~2000年代生まれ)」のちょっと上の世代ですが、「IT重説」社会実験にも最初から参加するなど、なるべく早期に新しいものを取り入れようとしてきました。
現在は、会社の代表電話も物件確認ダイヤルも自動応答ですし、借主様からの解約通知書はHPから電子サインで出してもらい、オーナー様との管理委託契約書や売却時の媒介契約書も電子サインで締結、定期借家契約の再契約はすべてIT重説、管理物件の入居申込~審査もいまや半数以上はWEB申込です。

 

そうした経験から振り返ると、「IT化」も「DX化」も、それがもたらしてくれるのは「業務時間の圧縮・効率化」であることに気付きます。
自動応答で無駄な電話対応がなくなり、電子サインで郵送・返送の時間待ちがなくなり(契約書によっては印紙代もなくなり)、IT重説で移動時間がなくなります。
空いた時間を、より高度かつ重要な業務である物件調査やコンサルティングに充てられるのが、最大の導入メリットです。

 

と、ここまでは教科書的・IT業者の営業トーク的な内容ですが、そんな私がDX化で空いた時間で何をしているかというと「子育て」です。
賃貸管理業をしながら子育てをする、というのは従来であれば相当にハードルが高いことでしたが、上記のようにIT・DX化を総動員することで業務時間を極限まで圧縮し、何とかやりくりをしています。

 

どんなに業務が煮詰まっていても、原稿の締切りが迫っていても、保育園のお迎え時間はやってきてしまいます。残った仕事を自宅に持ち帰って夜中2~3時までかけて片付けても、乳児はミルクを求めて泣きますし、幼児は早起きします。
身近なモデルケースもなかなかなく、ハッキリ言って孤独ですしキツいです。大変なものは大変です。

 

しかし、今この時代に、私がこれをやり遂げれば、賃貸管理業や不動産業の若い世代が子育てをするタイミングになったとき、仕事と子育ての両立について何かのヒントを残せるんじゃないか。若い人たちにとって「先人がいる」「身近なモデルケースがある」というのは心強いことなんじゃないか。
そう信じながら子育てにも業務にも邁進し、そのためにIT・DXツールの導入もまだまだ継続しています。直近では、駐車場契約を全てWEBで完結できるように準備中です。

 

IT・DXツール導入について、不動産業界で決まって言われるのは「心がこもらない」「気持ちが伝わらない」という懸念です。しかし、ツールとはあくまでも「道具」ですから、それを使って何をするか、どうやって時間を圧縮するか、空いた時間で誰にどうやって心を込めるか・・・を考えてみるのも、一興でしょう。


いまや二大業界団体(ハト&ウサギ)も、かなり本気のDXツールを各会員向けに無料提供しています。食わず嫌いの方も、「心を込め」て一度使ってみてはいかがでしょうか。

 

執筆者

森下 智樹氏

永幸不動産株式会社 代表取締役宅建マイスター・フェロー

昭和57年生まれ。東京都豊島区出身。1児の父。
立教大学大学院修了後、不動産売買仲介・賃貸仲介・賃貸管理の各専門事業者に従事し、平成24年現職に入社、平成26年より代表取締役に就任。賃貸管理業をメインに、駐車場の草むしりから一棟マンションの売買仲介までを手がける。
推進センターにて登録実務講習 演習指導講師、不動産流通実務検定“スコア”問題作成委員、『不動産流通実務必読テキスト』執筆などを担当。

eikou-house.com